そのスープを飲み干して
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32: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/17(金) 21:17:29.90 ID:+Z5t/dwj0
この間とは違う受付嬢に依頼(クエスト)受領の手続きを行い、食事は取らず平地へと向かう。そのままいるのは、どこかまずい気がした、それに従って。

外にまだ残る肌寒さが、逆に体を目覚めさせる。意識もよりはっきりして、まどろみのように残るあの感覚から解き放たれていく感じがする。そして、それが正しいのだともナシノは思う。恐らく、自分の炎に特殊性があるのは、間違いはないとしても、それを使いこなす力はない。

あの感覚は、言葉を換えれば偽りの万能感。何の修練もない自分にそれがあるなら、さっきの依頼(クエスト)ですら悩む必要はない。それが答えだとして、街の外へ出るナシノの顔は。

「……」

その背中に向けられている視線に気づかない程度に、すっきりとしていた。


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