2:名無しNIPPER[saga]
2019/10/13(日) 02:22:45.61 ID:ljhJ1EQK0
――幸いにも口を糊する状態にはなった。訳もわからず、野垂れ死にはごめんこうむりたい。前世(まえ)がどう死んだかは知らないとしても。
「ではギルドメンバーに無事加入できました。この斡旋所にて、依頼(クエスト)を受領いただくことで、報酬をお支払いいたします」
どこかで聞いたような、読んだような言葉のせいで、既視感がある。前からこの場所にいたような気がするけれど、間違いなくこんな場所も周囲の服装も見覚えがない。
「…大丈夫ですか。ナシノ様?」
あぁ、多分と返した。いち早くこの状況に慣れなければいけない。それが自分の為で、前世(まえ)に戻る方法がわからないなら必要なことで。
何故かはっきり自覚できるのは、自分が死んだこと、自分はこの世界にいなかったこと。謎の既視感があるのは疑問としても、それは置いておく。今はきっと、必要のない事。受付嬢に背を向けて、依頼(クエスト)が張り出されたボードを目を通す。
33Res/21.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20