23:名無しNIPPER[saga]
2019/10/05(土) 21:20:39.97 ID:pLwUdLuz0
育「前にライブで、ジュリアさんと桃子ちゃんの二人で『オーバーマスター』を歌ったことがあったでしょ?」
ジュリア「地方ホールツアーでのカバーコーナーだったかな。あの企画は曲が流れ始めてから演者が出てくるまで、誰が歌うかわからない面白さがあったな」
育「『オーバーマスター』ってイントロが流れるとまず、お客さんが「おおー!」って言うでしょ」
ジュリア「そうだな。イントロ一つで会場の雰囲気をガラッと変えられる、パンチ力の強い曲だ」
育「わたしね、その後ステージに出てきたのがジュリアさんと桃子ちゃんだってわかった瞬間の、お客さんの大歓声が忘れられないんだ」
ジュリア(あっ――)
育「桃子ちゃんは『オーバーマスター』みたいなかっこいい曲を歌うことをお客さんにこんなに期待してもらえてるんだってわかったから、うらやましかった」
ジュリア(そうだったんだ。育自身もそんな風に感じること、あったんだな……考えてみれば当然の話か。自分のことなんだから)
ジュリア(たとえ間接的な反応だとしても、自分に刺さってくる声なら嫌でも耳に入る。福岡で、一人でギター担いでいた頃のあたしもそうだった)
ジュリア(だけど育は、そのことでイライラしたり周りに不平を言ったりしない。ほんと、この歳で大したヤツだよ)
ジュリア「……なあ育、あたしはどうしても見てみたいんだ。世界で育だけにしか表現できないロックを。育とあたしでしか見ることのできない景色をさ」
育「ほんと? ジュリアさんがいっしょなら、見られるのかな」
ジュリア「見られるさ。きっと今日ムギが言ってた言葉が大ヒントだ。だからあたしに力を貸してくれ」
ジュリア「あたしがただ育をかっこよくするんじゃない。育の力で、育とあたしをまだ見たことないかっこいいステージに連れて行ってくれないか」
育「ジュリアさん……うん! わたし、がんばる。いっしょに最高の曲を作ろうね!」
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