67: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/10/07(月) 23:23:53.69 ID:qAvjVlqX0
包帯少女(その日からぼくの身体にあの痛みが染み付いて…こんな大仰な包帯までする始末)
包帯少女(少し遅れて学校に登校した時、周りは当然びっくりしていたけど、ぼくはもっと驚いた)
包帯少女(だって……彼に──少年君に話しかける勇気がまるで湧かなかったから)
包帯少女(以前の自分なら躊躇いなく出来ていたはずのこと。どうして話しかけることすら出来ないのか……思い通りに動けない自分に嫌気が差してきた時、彼の方から声を掛けてくれた)
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少年「──またここでやろうよ。二人野球」
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包帯少女(怯えた顔の少年君についた、ぼく自身の怯えた嘘)
包帯少女(でもそのおかげで、彼に少しばかり元気が戻った気がした)
包帯少女(結局土曜日の事は無かったことにしてしまったけど、それで少年君との日々が戻ってくるなら……そう思っちゃったんだ)
包帯少女「……」
包帯少女(けど、違った)
包帯少女(どんなに嫌だと思っても、無かったことに出来ないこともあった)
包帯少女(それは……あの奇怪な生き物たち)
包帯少女(ぼくはあれらを"オニ"と呼ぶことにした)
包帯少女(あれから毎夜、オニ退治を続けている。…おかげで寝不足の日も続いてる)
包帯少女(触らぬ神に祟りなし。放っておけばいいものをと言う人もいるかもしれない)
包帯少女(でもぼくは見てしまったんだ)
包帯少女(一昨日の晩。外のオニを減らそうとしていた時、1匹のオニが通りがかった通行人に触れた)
包帯少女(その通行人は間も無く、オニになった)
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