269: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/01/14(火) 03:29:22.20 ID:hBUPAlst0
ーーー石段前ーーー
「次あっちの屋台行ってみない?」
「すいませーん!通してください!」
「あっ……りんご飴落としちゃった…」グスン
少年「ここなんてもう満員電車みたいだ…」
包帯少女「……」
少年「足元気を付けながら進まないと転びそう……少女さん?」
包帯少女「あ、うん」
少年「大丈夫?気分悪かったり…?」
包帯少女「平気…うん、気にしないで」
テク..テク..
少年(うわ…人多過ぎて全然進めないな。人波に飲まれないようにしないと)
包帯少女「……」スルリ
少年「……」グッ..テクテク
少年(…少女さん、今日は妙に口数が少ない)
少年(周りは騒がしいのに、僕たちだけ違う空気の中に居るみたいだ)
少年(……前にも、こんなことがあったな。あれは、まだ少女さんが包帯を着けるようになる前、僕が少女さんをあの池に突き落と……)
少年(………)
少年「…その、包帯さ」
包帯少女「ん?」
少年「巻いてるとこ、夜になると痛み出すって言ってたけど今はもう治ったの?」
包帯少女「……」
少年「…!ごめん、バカな質問した。まだ痛むから包帯してるんだよね…」
包帯少女「…まだ治ってはないよ」
包帯少女「もうすぐ解放されるかなとは思ってるけどね」
少年「本当っ?」
少年「そしたらさ、また二人で野球出来るよね。少女さんが万全な状況でさ」
包帯少女「そのためには…先にこっちの問題を終わらせないとだよ」
少年「そう…だね」
包帯少女「……」
少年「……」
少年(……)
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