井村雪菜「高峯のあの事件簿・高峯のあの失踪」
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97: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2019/10/03(木) 21:44:16.72 ID:wT2tO75h0
泉「えっと、真奈美さんが海の向こうにいた頃?」

ヘレン「残念ながら不正解。始まりはワトソンとは関係ない」

雪乃「関係ない?」

ヘレン「ワトソンのいう『素性のわからない女』がいた。アーティストや関係者の間でウワサされていた」

都「話が飛んだ気がします」

まゆ「その人と犯人の関係は……なんでしょう」

ヘレン「焦らない。彼女は暗躍していたが、突然姿を消してしまった。なぜか、ディテクティブ都?わかるかしら?」

都「亡くなった、のですか」

ヘレン「生死は不明。その前に、とある人物が街を訪れている」

まゆ「古澤頼子……ですか」

ヘレン「訓練しているわね、ザッツライト。大学院生と自称していたわ」

都「何をしたか、気になりますね」

ヘレン「『キュレイター』は標的を見つけた。憧れとも何ともつかない感情を持つ少女に、『素性のわからない女』に成り代わらせた」

真奈美「……」

ヘレン「『素性のわからない女』の正体はわかって来たわ。職業はメイクアップアーティスト……であった時代もあった死化粧師。その技術も受け継いでいる」

志希「なんか報告書を読んだ気がする?」

まゆ「……保奈美ちゃんの、ことです」

志希「あっ、それかぁ」

ヘレン「少女は『素性のわからない女』から全てを奪い、成り代わった」

泉「古澤頼子によって」

ヘレン「正体を隠すために『化粧の濃い女』になった。同時に時間が彼女を味方した」

志希「成長期?化粧よりも強力だね」

ヘレン「イエス。そして、日本から来たボーカリスト、マナミ・キバに幸運が訪れる」

まゆ「……不自然に」

ヘレン「ある者はスキャンダル、ある者は身内の不幸、ある者は自身の不幸。チャンスは回ってきていた」

真奈美「だが、私はそれを良しとしなかった」

ヘレン「マナミ・キバは予定を早め本来の目的へ向かい、結果としてワトソンとなった」

都「本来の目的?」

まゆ「真奈美さんは元々日本で仕事をするつもりでしたから……」

真奈美「自身の評価は難しいが、腕は十二分に磨いたつもりだった」

泉「うーん……何か、おかしい気がする」

ヘレン「泉、犯人は間違えているわ。何をかしら?」

泉「真奈美さんの目的を知らない?」

ヘレン「賢いわ。本来の目的を彼女は知らない」

まゆ「目的を知らないのに……行動できていた」

ヘレン「『キュレイター』に吹き込まれていたから」

都「彼女も被害者なのですか」

ヘレン「今は知っているはずよ。それでも協力しているのは」

志希「マナミンに執着してるからでしょ。マナミンの目的が分かりかねてるから、行動は控えめだけど」

まゆ「分かりかねてるのではなく……分かりたくないから」

ヘレン「ザッツライト」

真奈美「なら……何故姿を現さない?」



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