105: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2019/10/03(木) 21:52:03.58 ID:wT2tO75h0
のあ「わからない。井村雪菜としか名乗ったことはないから、井村雪菜としか言えないわ」
留美「真奈美さんは、知ってるのかしら」
真奈美「わからない。彼女は『化粧師』だ」
のあ「化粧による仮面で誰にでもなる」
真奈美「だから、もはや誰でもない」
のあ「自分を失ってまで、何者になる必要なんてないと思うけれど」
留美「難儀ね」
のあ「真奈美なら話す可能性はあるわね」
真奈美「それはしない」
留美「既に捕まったのに、厳しいのね」
真奈美「道理は通すべきだ。真摯に聞けば、私は答えた」
のあ「井村雪菜として、聞けば良かっただけ」
真奈美「そうだ。希砂二島で聞き出せば良かったんだ」
留美「それでも、この事件を起こした理由は」
真奈美「想像しても仕方がない」
のあ「ええ」
留美「……ごめんなさい、勘違いしていたわ」
真奈美「何をかな」
留美「落ち着いているけれど、怒っているのね」
真奈美「……」
留美「それは私も同じだから、何も言えないけれど」
のあ「留美の言う通りね、真奈美?」
真奈美「……そういうことにしておいてくれ」
のあ「助手の怒りが再沸騰しないうちに帰るわ。留美、任せたわ」
留美「もちろん。ライブの話は後で落ち着いた頃に」
のあ「暇だから十二分に反芻したわ。最初から最後までブログに書けるほどに」
真奈美「余裕があるな……」
留美「余裕はあったのね、途中から」
のあ「ええ。私の助手は凄いのよ」
留美「知ってるわ」
亜季「警部補殿!到着したでありますか!」
留美「ご苦労様、大和巡査部長。取り調べは交代するわ」
のあ「私はここで失礼するわ。真奈美、帰りましょう」
真奈美「ああ。終わりだ」
留美「のあ、真奈美さん、またね」
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