【バンドリ×けいおん】唯「バンドリ?」香澄「けいおん?」
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29: ◆64sUtuLf3A[sage saga]
2019/10/02(水) 20:28:08.39 ID:2rXBvp8co
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 ――それはPastel*Palettesが結成されてしばらく、律が彼女達のマネージャーに任命されたばかりの頃である。

 専門のコーチによるレッスンと彼女達自身の自主練の成果もあり、バンド初心者だった彼女達は着実に実力を身に付け、いくつかのライブも成功させる事ができた。

 既に個々の技術面に関しては問題なしと判断した事務所は、今後は更に彼女達を売り込んでいくべきだと判断し、それと同時に、バンドとして活躍する彼女達のサポートが出来る人間が必要だと結論づけた。

 今のパスパレに必要なもの、それは彼女達を監督しつつ各方面に売り込み、またバンドとしての適切なアドバイスができる、バンド経験のあるマネージャーだ。

 そこで白羽の矢が立ったのが、芸能事務所内で唯一、バンド経験のある律の存在だった――。


【回想】

律「…………うーーん……」

 パスパレのメンバーとの初顔合わせを済ませ、自宅で彼女達の演奏動画を観ていた時、律が抱いたのは期待感よりも、むしろ危機感の方であった。


律(演奏技術とやる気はあるんだけど……やっぱり、バンドとしての経験がまだまだ足りてないよな……)

 アイドルとしての彼女達の意気込みは十分だとしても、肝心のバンドとしてはまだまだ実力不足……むしろ、彼女達よりも腕の良いバンドは数え切れない程いる、それが律の正直な感想だった。

 バンドとして、プロとして大勢のお客さんからお金を頂いている以上、今のままではまずい。

 プロとして活躍する以上、彼女達の歌と演奏には当然、それ相応の金銭が発生する。そして観客は彼女達のライブに価値を見出し、決して少なくない料金と時間を消費してパスパレの歌を聴きに来てくれているのだ。

 今はまだデビュー間もない新人アイドルグループだからこそ、観客も事務所のスタッフも甘い目で見てくれてはいるが、それも長くは続かないだろう。

 今後も彼女達が生演奏を行うアイドルバンドとして活動をしていくのであれば、バンドとしてのレベルアップは必要不可欠である。

 また、アイドルとバンド、この二足の草鞋を完璧に履きこなす事ができれば、彼女達は更に前へと進むことが出来ると……そんな期待も律の中に僅かながらあった。

 焦りを感じた律は考えた。今の自分がマネージャーとしてパスパレの皆に何が出来るか、今のパスパレの実力を引き伸ばすために、何をすべきかを考えた。

 そして考えた末の結論として、ある曲を練習曲として演奏してもらうことを思いついたのだった――。


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