20: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2019/09/29(日) 01:30:10.74 ID:wEDTEyMZ0
「なら育と桃子、一緒にすれば文句ないでしょ? お兄ちゃんに噛みつける場所が一つしかないワケじゃないんだし」
「そうだね! ……じゃあ、わたしはこっち側」
「桃子はこっち。今度こそ噛み痕上手につけるんだから」
まるでお菓子を取り分ける子供みたいだ。
一応、無邪気に相談しあう二人に向かって「止めてくれ!」と懇願してみたりもしたが。
「きっ、君たち、さっきの一回で十分だろう!?」
「……何言ってるの? お兄ちゃん」
「プロデューサーさんはわたしたちのしもべだよ?」
「だからご主人様の命令は絶対!」
「大丈夫! ちゃんとわたしたち優しくするから――」
「お兄ちゃんはそこで寝そべったままで、後はぜーんぶ桃子たちに任せていいよっ♪」
往生際の悪さも虚しく、笑顔で言い切る二人の方が圧倒的に上手なのだ。
……俺はご主人様たちの従順なしもべ。
三人きりの仮眠室に、再び哀れな悲鳴が響き渡ったのは殊更言うまでも無い事で。
結局、この後も俺は吸血行為に付き合わされ、
二人を探しに来た他のアイドルの手によって辛くも救出される次第となるワケだが――
その時に起こった小さないざこざと騒動は、また別の機会に話すとしよう。
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