絵里「例え偽物だとしても」
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5: ◆iEoVz.17Z2[sage saga]
2019/09/24(火) 17:24:54.13 ID:Sjljkzyd0
千歌「あ、そういえばその…」

絵里「ん?何かしら?」

千歌「倒れた場所って…」

絵里「あぁ、アキバのど真ん中よ、歩行者天国に埋もれてたわ」

千歌「え、じゃあそれってつまり…」

絵里「……ええ」

絵里(誰も助けてくれなかったのか、千歌はそう言いたいのよね)

絵里(この世界はそうよ、アンドロイドという存在が栄えるとたちまち不思議なカーストが生まれた)

絵里(アンドロイドは人間より下の存在で、しかもある意味でいえば家畜と同等の存在とも言えた)

絵里「…仕方ないのよ、私たちがアンドロイドとして生まれた以上は」

絵里(私たちはアンドロイド、それは造られた命。そしてつまりそれは生命が宿ってると認識されない“モノ”でしかない)

絵里(単なる造り物に思いやる気持ちなんてこの世にはなくて、救済の手を差し伸べるに値しない理不尽さがそこにはあって、例えアンドロイドがどれだけ可愛くても“所詮”アンドロイドである以上人間と同等の立場になることはない)


絵里(だから私はどこで倒れようとも放置されるだけだ)


絵里(そしてそれはこの街だからこその光景だった)


絵里(“アンドロイド隔離都市”であった東京ならではのね…)





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