花音「千聖ちゃんとの、ちょっとだけ長い帰り道」
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1: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:10:37.78 ID:Du4y4HqP0
千聖(この前見つけたばかりのカフェに寄って、ゆっくりとお茶した帰り道)
千聖(もう外も暗くなってきていて、私と隣にいる花音の足音だけが響く)
千聖(夜は少し冷えるけれど。花音と繋いだ手が、私の冷えた身体を温めてくれている)
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2: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:11:21.81 ID:Du4y4HqP0
千聖(カフェから数十分も歩いた頃、大きな木が見えてくる。私の家の近くにある公園に生えた、大きな一本の木)
千聖(すっかり紅く色付いた葉を見て、『もう秋ね』なんて感じていた時。ふと、握られた手に力が掛かるのを感じる)
千聖(何かあったのかと隣を見れば、花音が少しだけ寂しそうな表情をしていた)
3: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:11:49.90 ID:Du4y4HqP0
千聖「花音?」
花音「あっ、ごめんね。急に強く握ったりして……」
千聖「……何かあった?」
花音「ううん、なんでもないよ」
4: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:12:19.95 ID:Du4y4HqP0
花音「……」
千聖(分かりやすくしゅんとした花音の姿が視界に映る)
千聖(なんとなく隣の恋人が考えていることに察しが付いていた私は、軽く花音の腕を引っ張って公園の中に入る)
千聖(ベンチの側で足を止めて、花音をベンチに座らせた)
5: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:12:59.67 ID:Du4y4HqP0
千聖「花音?言ってくれなきゃ分からないわ」
千聖(ベンチに座りながら声を掛けてみるも、花音から返事はない)
千聖(その代わりに、勢い良く抱き着いてきた)
6: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:14:14.89 ID:Du4y4HqP0
千聖「どうしたの?」
千聖(花音が何を言いたいかは分かっているけれど。花音の口から聞きたくて、意地悪な問いを投げかける)
花音「……もっと、してほしいな……」
7: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:14:42.81 ID:Du4y4HqP0
千聖(潤んだ瞳でねだってくる花音に私も耐えきれなくなって、抱き締める腕を強める)
千聖(青い髪に手を添えると、表情が期待に染まる。頭を撫でてあげると、笑顔を浮かべてくれる)
花音「わ……えへへ……」
8: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:15:29.50 ID:Du4y4HqP0
千聖(心が満たされていくのを感じながら、そのまま頭を撫で続ける)
千聖(数秒か数分か、撫で続けた頃。何かに気付いたかのように、花音の表情が少し曇る)
千聖(……誰よりも優しいこの子のことだから、きっとまた何かを我慢しているのでしょうね)
千聖「何かまだ、したいことがあるのでしょう?」
9: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2019/09/21(土) 23:15:56.02 ID:Du4y4HqP0
千聖「……もう、仕方のない子ね」
千聖「大丈夫。離れたりなんてしないわ。私と花音は、ずーっと一緒よ」
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