18:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:14:29.30 ID:W6D0RAKy0
海を見る少女の横顔を見ながら、俺は今さら気付いた。
制服を着た少女が、学校ではなく海にいるということが普通ではないことに。
ああ、きっと、この子は俺と同じだ。
19:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:15:54.60 ID:W6D0RAKy0
「海が好きなのか?」
「わからない」
ああ、そういえばそう言っていた。
20:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:17:10.21 ID:W6D0RAKy0
水平線が見える。遠くで動いているのは船だろうか。
波の音がする。ぴちゃりと魚がはねた。
潮の香りがする。深呼吸したらむせそうだ。
21:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:18:27.06 ID:W6D0RAKy0
ぼんやりとそんなことを考えていたら、少女がこちらを見ていた。
あんまりに俺が気の抜けた顔をしているのが面白かったのか、含み笑いをしながら少女は言う。
「事務所に連絡、しておいた方がいいよ」
22:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:19:38.11 ID:W6D0RAKy0
それにしても、美少女だとは思っていたが、笑ったらさらに魅力的な子だ。
本気でスカウトした方がいいかもしれない。
今の俺がスカウトして信頼してくれるかは別として。
23:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:20:43.95 ID:W6D0RAKy0
「……」
少女を見る。
中学生ぐらいの、赤みがかった髪の少女。
24:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:21:36.32 ID:W6D0RAKy0
しばらくして。
「そろそろ行くよ」
少女が立ち上がった。
25:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:24:21.82 ID:W6D0RAKy0
翌日。
「こら愛海!お前は病み上がりなんだからジッとしてろ!登山は禁止だ!っていうか事務所来るな!」
「病み上がりだからお山で回復しにきてるんだよ。プロデューサーもそうでしょ?」
26:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:25:17.03 ID:W6D0RAKy0
俺の手元には、秋服のファッションショーに関する企画書。
「もう夏も終わりですね。これからは秋の仕事ですか」
ちひろさんがしみじみと言うので、俺も同意する。
27:名無しNIPPER[sage]
2019/09/09(月) 20:26:53.16 ID:W6D0RAKy0
おしまい!
28:名無しNIPPER[sage]
2019/09/09(月) 20:33:24.87 ID:47zcJK46o
乙でした
時々、いつもの自分を離れたくなる
そんな日ってあるよね
登山家が海に行く日もある
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