【安価】安価ファンタジー冒険者で地の文多めのマジメなやつ
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47: ◆a0UdM47R7d2e[saga]
2019/09/05(木) 02:04:11.89 ID:JsU2vhmx0
ミアは気弱で引っ込み思案で、そして人一倍優しい娘だ。
困った隣人が居れば手を差し伸べずにはいられず、いつも誰かを助けて生きてきた。

だから修道院での暮らしは彼女にとって満ち足りたものだった。

天上の神に人々の安寧を祈る事。
生活の合間に孤児の面倒を見る事。
時折町に入り人々への奉仕活動に勤しむ事。

この三つで十分に、人の助けとなっている自分を誇る事ができていた。

けれど、もうそんな日々には戻れない。
ミアは知ってしまったのだから。



死に際の男が握り、届けてくれと託した物。

それは森に潜む猛獣の臓器だった。
ある死病に対する薬の、その原材料の一つである。

もし臓器を諦め獣の解体をせず、戦闘後にすぐに引き返していれば。
危地に陥る前に逃げ帰っていれば。
いや、そもそも危険な依頼を受けていなかったならば。
彼は死なずに済んだかも知れないのに。

それでも森に踏み入って勇敢に戦い、最期まで人を救おうと足掻いたのだろう。


そんな人の、あるいはそんな人々の存在を、ミアはもう知ってしまった。



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