【安価】安価ファンタジー冒険者で地の文多めのマジメなやつ
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144: ◆a0UdM47R7d2e[saga]
2019/09/08(日) 23:52:41.11 ID:c4RcVj2E0
……しかし、それは事態の悪化を招くだけだった。

ミアには技術も力も備わっていない。
何の変哲も無い町娘の細腕ごときで、野の獣を下せる道理は無いのだ。


「ギィ、ヒヒ、ヒッ、ヒヒヒ!」


渾身の拳は容易く受け止められた。

当然、それだけでは終わらない。
捕まれた左の拳はゴブリンの手が添えられ。
固く固く、力の限りに握ったはずのそれはじりじりと開かれていく。

それはミアの手が開かれきっても止まらなかった。
細く白い指に、褐色のひきつった指が絡み、反るように力が加えられ……。



底知れぬ憎悪が満たされる瞬間を予感して、ゴブリンが黄土の眼を三日月に歪めると同時に。

ペキリ。

と、乾いた音が草原に響いた。



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