40: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/22(木) 00:19:24.73 ID:ihyj2nok0
こんな不幸に満ちた世の中なんて、一人では生きていられない。
私は一人になってしまった。
姉さま。姉さま。山城は、恐ろしいのです。なにがと尋ねられても、答えに窮してしまいますが、なにかが、目に見えないなにかが、姿かたちの無いなにかが、まったき暗闇の色をもって、どこかから私を狙っているように思えてしょうがないのです。
手を。手を握ってください。どうか。二人で空腹を堪えた夜のように。寒空の下を歩いた朝のように。
「だぁいじょーぶ、でぇすかぁー?」
手がふんわりと暖められて、陽気な香りが鼻孔を衝いた。
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