167: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/24(月) 21:22:26.52 ID:cZJ7+2AW0
艦娘通信。
私は当然その単語に訊き覚えがあった。というよりも、艦娘をやっている人間で知らないのなら、そいつは間違いなくモグリだろう。
広報課が発行する無味無臭な、ともすれば戦意高揚のためだけのビラとは異なる、血の通った広報新聞。日本中を縦横無尽に駆け回り、南はトラック、北は小樽まで、手当たり次第に記事にしていく……。
なるほど、そう考えれば新たに発足したCSARへの取材なんてぴったりではないか。空軍と海軍、その微妙な関係のはざまで広報課が仕事をしないのならば、万雷の拍手ととともに取材へとやってくるのはさもありなん。
艦娘、青葉。
薄い紫色を基調とした彼女は、首からぶら下げた威圧感のある一眼レフ、そして年季の入った肩掛け鞄といった軽装で、よいしょ、梯子を上り終えた。
足元が濡れている。まさかと思ったが、航行している状態からそのまま飛びついたらしい。なんて超人技だ。
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