100: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 03:08:39.27 ID:OJA0wgUK0
プロデューサー。
あのなぞなぞは、会うための理由だったんだ。
杏の担当プロデューサーが変わって、プロデューサーの担当アイドルも別の子たちになる。
離れ離れになってすぐの頃こそ無理に会ったりもするけれど、そのうち疎遠になって、やがてぷつんと縁が切れる。
そんな状況に陥ったときに、私たちを繋ぎとめてくれる、最終兵器だったんだ。
昔、そんな感じの本を読んだことがあるんだよ。
二人の女の子がいて、片方の子がもう片方の子の家に遊びに行くんだ。
で、遊びに来た方の子はいつも、もう片方の子の家に忘れ物をしていくんだよ。
何でだと思う?
察しの悪いプロデューサーでも、さすがに分かるよね。
会いに行く理由を作るためなんだ。
それを読んだ当時の杏は、よく分からなかったんだよ。
別に、会いに行くのに理由なんてなくたっていいじゃん。
でもさ、そういうわけにはいかないよね。
何か理由がないとさ、後ろめたいよね。
お互いはお互いに会いたいと思ってても、自分の思いが一方通行なんじゃないかって可能性を考えずにはいられないんだ。
だから無理にでも理由を作りでもしないと、会いに行けないんだよね。
「緑色の空」だって同じだよ。
あのなぞなぞの答えを明かさない限り、杏は「なぞなぞの答えを聞きに来た」って口実でプロデューサーに会いに行けるし、プロデューサーはプロデューサーで、「なぞなぞの答えを教えに来た」って口実で、杏に会いに来ればいい。
現に杏がプロデューサーの部署を初めて訪れたのは、あのなぞなぞの答えを聞きたかったから、だった。
杏はまんまと手のひらの上で踊らされてたんだよ。
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