7: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2019/08/11(日) 20:24:17.78 ID:hJ05PNkl0
「お帰りなさい」
次の瞬間目が眩んだ。
突然部屋の灯りが点いたせいだと気付けるまでにはラグがあった。
部屋の奥から女性の声が聞こえてきて、
「お帰りなさい。お仕事お疲れさまでした」
「うん、ただいま。いやぁ〜今日も大変だった」
「エアコンの温度は快適ですか?」
「うん、丁度いい具合だ。……そうそうお弁当美味しかったよ」
「お風呂の準備はどうしましょう?」
「風呂か、うん! すぐ入れるの?」
「今からだと少し時間が掛かります」
「待つよ、待つ。ビールでも一杯やりながらさ」
俺は冷蔵庫を開けながらそう答えた。
手の平から伝わるキンキン具合が浮かれた思考を落ち着かせる中で、
「どういたしまして」と返事をする彼女の声も機械みたいに冷たかった。
……部屋の電気を消しっぱなしでいたりしてたもんな。
もしかすると今日は機嫌が悪いのかもしれない。
20Res/12.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20