86:名無しNIPPER[sage]
2019/08/09(金) 13:33:44.12 ID:+iujvg/60
その後に何か小さく呟いていたが、聞こえなかった。
「あ、あの!……ま、魔物です!」
ジャスミンが叫ぶ。俺は周囲を見回すが魔物らしき生物は見当たらない。
「ジャスミン!どこにも居ないぞ!」
「わ、私の領域に入って来ました…!近くの森から来ますが…一体です!」
森か。俺はお嬢様達の近くへ移動し、剣を抜き、森へと身構える。お爺さんとお嬢様は微動だにしない、肝が据わっているのか、ティーカップを揺らして眺めている。
「怖くないんですか?」
俺は思わず聞いてしまう。
「怖くないわよ、別に。それより、貴方達の力量を見させてもらうわよ」
「男さん、ジャスミンさん、期待していますよ」
言ってくれる。
「……来ます!」
ジャスミンが叫ぶと、森の茂みから大きい魔物が出てくる。
「な、なんだこいつ…!」
巨大なゴブリンとでも言うのか、筋骨隆々な巨大な身体。手には大きい棍棒、胸には弓道で着けるような胸当てをしている。
長い耳はいくつもピアスをしていて、如何にも猛者感が溢れている。
「ハイゴブリンね」
お嬢様は、この魔物を前にしても顔色一つ変えない。マジか。
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