190:名無しNIPPER[saga]
2019/08/18(日) 15:44:13.53 ID:fahfQ4YfO
「じゃあ…この先、俺に吉兆はありますか?」
「わかりました。それでは…見てみましょう…」
お婆さんはゆらゆらと、手を水晶玉の回りで動かしている。ああ、何かそれっぽい動きだなぁ。
「……おや?」
「何か見えました?」
「……ふむ」
お婆さんは手を止めると、俺を疑うかの様な目で睨んでくる。凄みがあるというか、少しゾッとする。
「貴方は……人、なのですか?いえ…存在しているのですか?」
「え…?」
お婆さんの言っている意味がわからない、そんなのは見ればわかるだろうに。いや待てよ…転生の事が関係してる?でも……どういう意味かわからんな。
「貴方は……誰ですか?」
「俺は……男って言うんですけど…」
「……ふむ」
その時、嫌な音がした。何かにヒビが入る音。この場にある物でヒビが入るなど、目の前の水晶玉以外にない。
「……これは…」
水晶玉にヒビが入ってもお婆さんは動じない。何処か分かっていたかのような雰囲気で、悲しげに水晶玉を見ている。
「申し訳ありません…私には貴方を占う事が出来ません……」
「そ、そうですか……」
吉兆を聞いた矢先にこんな出来事とか…どうなっちまうんだよ俺。一応銀貨を1枚置いて俺は占い屋を出る。あまり気分は良くないが、何となくこの世界の占いは当たりそうな気がする。
あーやだやだ、気分転換に別の事をしようそうしよう。
行動安価
安価下
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