17:名無しNIPPER[saga]
2019/08/05(月) 14:51:21.91 ID:f+nH/MKh0
そうだ、住み込みで働いてしまえば良い。
そうすれば金も貯まるし、この服装ともおさらば出来る。
うんうん良いな、そうしよう。
俺は火酒を飲み終わると席を立ち、店主の元へと向かう。
「あの、ちょっと良いですか」
「ん?どうしたんだ?」
「実はさっきの続きなんですけど……住み込みで、ここで働かせてくれませんか?」
「はぁ?何言ってんだお前」
「実は、お金を持ってなくて……」
「何ぃ?持ってねぇくせに酒飲んでんのか!いい度胸してんな兄ちゃん!」
「は、ははは……」
上手く行きそうな流れだな。正直に話したのが良かったのか?
「でも駄目だな。金がねぇならさっさと出ていけ、火酒の1杯くらいくれてやるよ。だが、二度と来んなよ。てめぇの面は覚えたからな」
「あ……」
「さっさと行け!もし次来たら憲兵にしょっぴかせるからな!!」
「は、はい…!」
俺は逃げる様にして酒場を出る。周りからは笑い声が聞こえた、恥ずかしい。外に出ると陽は落ちて、すっかり夜になっていた。
もう酒場には行けない。
「何か……違うなぁ……」
空を見上げて俺は呟く。
異世界転生ってもっとこう、転生した俺がモンスターをばったばった倒して、自然と仲間が集まって、強大な敵に挑むもんだと思ってたけど、俺の異世界転生はそんなんじゃないのか。
そういえば、あの時は試せなかったけど、俺って何か能力はあるのかな?それとも、本当に無力な存在なのか。駄目だ、悪い方に考えるな。
さて、夜だけど今日の寝泊まりはどうしよう。火酒だけじゃ腹も満たされない。困ったな。
安価下
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