15:名無しNIPPER[saga]
2019/08/05(月) 14:25:11.36 ID:f+nH/MKh0
「あ、なんでもないです。お酒をひとつ貰えますか」
「だから何にすんだ?」
「えっと……火酒で」
「火酒か、ちょっと待ってな」
たくさんの異世界転生物を読んだ俺に死角はない。よく使われているであろう異世界の飲み物は火酒とエールだ。
まさか本当にあるとは思ってなかったが、言ってみるもんだ。
「ほらよ、代金は後払いだ」
「ありがとうございます。それと……可愛い女の子にお酌とかって……そういうサービスはあります?」
「なんだ兄ちゃん、女に酌させてぇのか」
「まぁ、はい」
「いいぜ。おーい!エルフ!ちょっとこっちきて兄ちゃんに酌してやれ!」
店主が大声で叫ぶもんだから周囲の目が俺に集まる。凄い恥ずかしい、やめてくれ店主よ。
すぐにエルフという可愛い女の子が近付いてきて、席に案内される。
お猪口を持ち、酒を注がれながらエルフという女の子を見る。
肌が黒いから、ダークエルフかな?それに…
「……耳、長いんだな」
「え?」
やばい、口に出していたか。ただでさえ変な目で見られてるんだ、目立たないようにしないと。
「いや、エルフって耳長いなーって」
「……」
沈黙が流れる。気まずい。変な事言ってしまったのか俺は。
「ぷっ…あはは!何言ってんすかお客さん!当たり前じゃないっすかー!」
「そ、そうだよね!あはは!」
「あはは!変なの!それじゃ私はこれで。ごゆっくりー!」
「あ、うん。ありがとう」
エルフが席から離れていき、俺は酒を飲む。うん、これは焼酎だな。
ただ酒を飲むのは良いが、一つ問題がある。
金が無い。
安価下
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