2: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:34:10.76 ID:f1uEgEbX0
小さな島だ。この港も港というよりは単に船着場と言うべきか。
船着場から石階段を数段上がればそこには道路が一本走っており、向かい側には民家が並んでいる。
もっとも軒並み焼け落ち、崩れ去り、倒壊しているが。まともなのは島の奥にある学校らしき建物くらいか。
3: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:34:49.03 ID:f1uEgEbX0
男「!?」バッ
咄嗟に今しがた登った階段を飛び降り船着場の影に身を隠す。
人影が見えたからだ。陽炎揺らめく一本道の奥に。
4: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:35:30.97 ID:f1uEgEbX0
本土から数キロ。泳ぎに自信がある者なら難なく渡れる距離にある小さな島。
そこが今回の目的地。
陸で暴れ多くの人間を殺し、現在進行形で人の生活圏を脅かす深海棲艦。
5: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:36:15.80 ID:f1uEgEbX0
リュックから袋を取り出す。
サンドイッチ。これが今日の昼食だ。…下手をすればこれが最後の晩餐だ。
そう考えると随分寂しい食事だがしっかり味わっておかねば。
6: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:36:56.91 ID:f1uEgEbX0
雲一つない青空。
穏やかな海。
心地よい海風。
7: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:37:31.99 ID:f1uEgEbX0
「おっと!あーびっくりしたぁ」
男「…はぁ?」
幸いにもサンドイッチは海にではなく手の上に落ちた。
8: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:37:59.63 ID:f1uEgEbX0
「…」ジー
男「とりあえずそれ返せ」
「…」ジー
9: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:38:31.45 ID:f1uEgEbX0
男「はぁ。わかったわかった、一口だけな」
「ホントに!?ありがとぉ」
男「…一口ってもアレだぞ!大口で一気にとかなしだからな!」
10: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:39:07.08 ID:f1uEgEbX0
「はい。ありがと」
男「おう。…なんな少しふやけてるな」
「あー手濡れてたからかな」
11: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:40:11.01 ID:f1uEgEbX0
「おじ、お兄さんはこんな所で何してるの?」
男「言い直したよな?今言い直したよな?」
「細かい事は気にしない気にしない」
12: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:40:43.36 ID:f1uEgEbX0
男「いやそれよりお前は何してんだこんな所で?」
「何って、うーんなんだろ?改めて聞かれると困るなあ」
男「どういう事だよ…」
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