29:名無しNIPPER[saga]
2019/07/24(水) 14:58:54.82 ID:srlTj69v0
母親「キャルちゃん、ここに来てから一度も食事をしてくれなかったんだよ? 覚えてるかな?」
キャル「覚えてる……ちゃんと……」
母親「それはね。幸せで満ちた世界に、最初からあった歪み。キャルちゃんの迷い。そうだなぁ、命綱みたいなもの、かなぁ?」
キャル「記憶、ちゃんと全部消してくれたらよかったのに……。そうしたら、あたしは何不自由なくこの世界で幸せに暮らせたはずよ……」
母親「ごめんね……。けどね? 消えなかったってことは、キャルちゃんにとってそれだけ幸せな記憶だったってことなんだよ」
母親「ペコリーヌちゃんたちとの記憶が、この幸せな夢の世界でも色褪せないくらい強く残ってたってことなんだよ!」
キャル「そう、なのかな……?」
母親「はぁ……ママにはあんなに素直なのに、ペコリーヌちゃんのこととなると途端に意地っ張りになっちゃうんだもんな〜」
キャル「……怖いんだもん」
母親「うんうん、大事な人に嫌われちゃうかもしれないのってすごく怖いよね」
キャル「ペコリーヌのやつが異常なのよ……。あんなにグイグイ近づいてきて、あたしの心の中までズケズケ踏み込んできてさ……!」
母親「あはは。あの子はきっとキャルちゃんとは正反対なんだよ」
母親「寂しがり屋で、意地っ張りで。だけど、それを悟られたくなくて。だからいつも笑顔をつくって距離を詰めようとするの」
母親「ツンツンして距離を取ろうとするキャルちゃんとは真逆だね」
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