芹沢あさひ「青空の水槽」
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8: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:27:55.35 ID:rmJoFnhWo

「青空っすよ、やっぱり」
「なるほど。そこでループになっているわけだ」

 プロデューサーさんが頷きながら言う。

「青空から連想されるものは水。水から連想されるものは水色。水色から連想されるものは青空。鶏が先か、みたいな話になってきたな」
「実際、鶏と卵ってどっちが先なんすかね?」
「進化論的には卵って結論じゃなかったっけ」
「じゃあ、いまの場合は三つのうちのどれが卵にあたるんすかね」
「それはあまり意味のある推論とは思えないけれど」

 彼女はまるで後に続く言葉を探すみたいに空を仰ぐ。私もまた、その行方を追いかけるようにして空を見上げた。
 今日は特に何の理由もない快晴で、煌々と輝く太陽の明かりを遮るものは何もない。
 でも、たった一つの雲すら見えない青空は物寂しくて、そのせいで一面に広がった青色が却って寒々しく感じられた。




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