3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:07:21.88 ID:gz0ACcXM0
芳乃「ふむー、この店がよろしいかとー」
茄子「わかりました、お邪魔しま――あら、凛ちゃん?」
凛「いらっしゃい。なんで茄子さんが驚いてるの?」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:09:26.41 ID:gz0ACcXM0
茄子「凛ちゃんはお店のお手伝いですか?」
凛「クリスマスも終わって、お正月用の花飾りに総入れ替え中って感じかな」
茄子「お正月飾り、とっても綺麗ですねっ」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:10:36.50 ID:gz0ACcXM0
……
…
凛「ごめん、お待たせ」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:12:18.87 ID:gz0ACcXM0
茄子「年明けにジャポネスクでニューイヤーライブがあるんです」
凛「うん、もうすぐだよね。プロデューサーも忙しそうにしてる」
芳乃「しかしー、日が近づく毎に歌鈴殿の緊張も増しておりー」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:13:45.63 ID:gz0ACcXM0
芳乃「れっすんに打ち込んでも解消されそうにありませぬー。違う糸口を探ろうと、気の向くままに彷徨っておりましたー」
凛「そうして導かれた先がここ、と」
茄子「そういうことです♪」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:14:42.60 ID:gz0ACcXM0
茄子「お正月飾りといえば、やっぱりしめ縄や門松でしょうか」
凛「大きいものはうちでは取り扱ってないよ。卓上の小さいのなら」
芳乃「ほー、こじんまりとして可愛らしいのでしてー」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:16:11.42 ID:gz0ACcXM0
凛「まず門松、これは年神様を家に招くために門に置いておく、いわば目印」
芳乃「年の神は今年一年の実りをもたらすために山から降りてくるゆえ、五穀豊穣の意味合いもあるのでしてー」
茄子「門松の『門』はわかりましたが、なぜ『松』なんですか? 竹ですよね?」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:18:15.10 ID:gz0ACcXM0
茄子「他にどんなものがあるんでしょう?」
凛「縁起の良い花は松竹梅以外だと、菊、牡丹、千両に南天。最近はバラやスイートピーみたいな洋花を合わせた飾りもあるよ」
芳乃「種類も増えておりますねー」
11:名無しNIPPER[sage]
2019/07/21(日) 23:19:37.94 ID:gz0ACcXM0
芳乃「なにか思いつきましてー?」
凛「この中だったらそうだね、うん。ふたりにも手伝ってほしいことがあるんだけど」
芳乃「断るはずはないのでしてー」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:21:27.59 ID:gz0ACcXM0
アウターをクリーニングに出そうかと、そう思えるような暖かな日差し。
長い冬をようやく終わりを告げて、店の中にも小さな芽吹きが咲き誇る。
ところで、ファンタジーやメルヘンの世界では、色とりどりの草花が描かれる。
子供のころは花で溢れるお店の中が、絵本の世界みたいだと思ったり。
そんな、ある春の始まりの日のこと。
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