1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:04:45.65 ID:gz0ACcXM0
聖夜も一晩明ければ、街は一斉にクリスマスから新年に向け衣替えをする。そして、それは花屋も例に漏れず。
そもそも花屋の師走はとても忙しい。お歳暮からクリスマス、お正月と次から次へディスプレイを変えることになるから。
クリスマスリースや卓上ミニツリーから、正月飾りへ。洋風から和風へと、がらりと雰囲気の変わる様は毎年恒例の大仕事だ。
そんな、ある年末の日とのこと。
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2:名無しNIPPER[sage]
2019/07/21(日) 23:06:20.67 ID:pSO159fL0
読み辛い
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:07:21.88 ID:gz0ACcXM0
芳乃「ふむー、この店がよろしいかとー」
茄子「わかりました、お邪魔しま――あら、凛ちゃん?」
凛「いらっしゃい。なんで茄子さんが驚いてるの?」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:09:26.41 ID:gz0ACcXM0
茄子「凛ちゃんはお店のお手伝いですか?」
凛「クリスマスも終わって、お正月用の花飾りに総入れ替え中って感じかな」
茄子「お正月飾り、とっても綺麗ですねっ」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:10:36.50 ID:gz0ACcXM0
……
…
凛「ごめん、お待たせ」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:12:18.87 ID:gz0ACcXM0
茄子「年明けにジャポネスクでニューイヤーライブがあるんです」
凛「うん、もうすぐだよね。プロデューサーも忙しそうにしてる」
芳乃「しかしー、日が近づく毎に歌鈴殿の緊張も増しておりー」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:13:45.63 ID:gz0ACcXM0
芳乃「れっすんに打ち込んでも解消されそうにありませぬー。違う糸口を探ろうと、気の向くままに彷徨っておりましたー」
凛「そうして導かれた先がここ、と」
茄子「そういうことです♪」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:14:42.60 ID:gz0ACcXM0
茄子「お正月飾りといえば、やっぱりしめ縄や門松でしょうか」
凛「大きいものはうちでは取り扱ってないよ。卓上の小さいのなら」
芳乃「ほー、こじんまりとして可愛らしいのでしてー」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:16:11.42 ID:gz0ACcXM0
凛「まず門松、これは年神様を家に招くために門に置いておく、いわば目印」
芳乃「年の神は今年一年の実りをもたらすために山から降りてくるゆえ、五穀豊穣の意味合いもあるのでしてー」
茄子「門松の『門』はわかりましたが、なぜ『松』なんですか? 竹ですよね?」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:18:15.10 ID:gz0ACcXM0
茄子「他にどんなものがあるんでしょう?」
凛「縁起の良い花は松竹梅以外だと、菊、牡丹、千両に南天。最近はバラやスイートピーみたいな洋花を合わせた飾りもあるよ」
芳乃「種類も増えておりますねー」
11:名無しNIPPER[sage]
2019/07/21(日) 23:19:37.94 ID:gz0ACcXM0
芳乃「なにか思いつきましてー?」
凛「この中だったらそうだね、うん。ふたりにも手伝ってほしいことがあるんだけど」
芳乃「断るはずはないのでしてー」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:21:27.59 ID:gz0ACcXM0
アウターをクリーニングに出そうかと、そう思えるような暖かな日差し。
長い冬をようやく終わりを告げて、店の中にも小さな芽吹きが咲き誇る。
ところで、ファンタジーやメルヘンの世界では、色とりどりの草花が描かれる。
子供のころは花で溢れるお店の中が、絵本の世界みたいだと思ったり。
そんな、ある春の始まりの日のこと。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:23:40.44 ID:gz0ACcXM0
法子「こんにちはー!」
みちる「お邪魔します!」
凛「あれ、いらっしゃい。どうしたの?」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:25:39.19 ID:gz0ACcXM0
……
…
【事務所】
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:27:25.43 ID:gz0ACcXM0
文香「いえ……パンの木は、現実に実在する植物ですよ」
みちる「えぇ! ほんとですかっ!」
法子「すごーい!」
16:名無しNIPPER[sage]
2019/07/21(日) 23:28:35.42 ID:gz0ACcXM0
……
…
法子「――ということ!」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:30:22.40 ID:gz0ACcXM0
……
…
凛「お待たせ、ふたりともカウンターに来て。よいしょっと」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:32:04.13 ID:gz0ACcXM0
凛「ふふ、想像とは違ったかもしれないけど、そのイメージで正しいって言ったら?」
法子「なになに? 全然わかんないよー!」
凛「パンノキは英語でブレッドフルーツ。みちるの言うパンと同じ」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:34:58.87 ID:gz0ACcXM0
凛「美味しいパンが人を幸せにするように、このパンノキも沢山の人を支えたり、幸せにしてたんじゃないかな」
みちる「はい! 見たときはびっくりしましたけど、これも立派なパンです!」
法子「うんうん! あ、ドーナツの木は無いのかな?」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:36:24.24 ID:gz0ACcXM0
梅雨明けも間近に迫り、暑さは日増しに膨らんでいる。
店前は日よけテントで直接太陽に当たらなくても、アスファルトの照り返しは防ぎようがなく、作業をしていると汗がじわりと出てくるのを感じていた。
花というと春のイメージが強く、事実、春に出回る花の種類は多い。
だけど四季それぞれに咲く花はあるし、最近は品種改良によって通年出回る種類も増えた。それだけ手間も大変とも、いけるけど。
そんな、ある梅雨の終わりの日のこと。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/21(日) 23:38:11.86 ID:gz0ACcXM0
泰葉「こんにちは」
凛「あれ、泰葉。いらっしゃい、どうしたの?」
泰葉「買い物というか、凛さんに相談したいことがありまして」
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