18:1[saga]
2019/08/04(日) 23:18:58.87 ID:MTvn++Zy0
【 とある夏期の幻想希土 】
悪い!遅くなった!
...。そうだな
ギラギラと照りつくような太陽の下、木陰に隠れている少女が腕組みをして少年と目を合わせず頷いた。
気温は35°。暑い。普通ならそこら辺の店にでも入らないと熱中症は免れない程の環境下で少女は
少年を待っていたのだ。
長い黒髪を指先で弄った後、少女は目だけを横にズラして少年を見る。
約束の時間は今より30分前。私が来たのはその30分前よりも10分前
これがどう意味しているか...わかっているな?上条当麻
本当にスミマセンッ!シャットアウラさんッ!!
少年は少女の前で深々と土下座をする。何とも鮮やかで素早い動作なのだろう。大会でもあれば優勝は
間違いない。
少女は少年の背中を見て、既に走ってきたせいなのかこの気温のせいなのかわからないが、汗でシャツが
ほぼ背中が見えるくらいに透き通ってへばり付いていた。
...ど、どのようなお詫びを差し入れれば、よろいいですか?
...まず涼める場所へ行き、冷たい物でも奢ってもらおうか
はいっ!もちろんでございますのことよ!
即座に立ち上がって、少年は数回頷き、お辞儀も数回する。
少女はそれを見て、ふ、と唇から息を漏らすと微笑む。そして少年の前へ立つと、ポケットから
取り出した黒いハンカチで汗塗れとなった少年の顔を拭き始めた。
汗くらいは拭け。店の中で悪い印象を持ってしまうからな
あ、ああ...サンキュな。ハンカチ、後で買ってやるから
これくらい洗濯してまた使える。...これでいいっ
さぁ...行こう。...当麻
...ああっ。仰せのままに、ってな
シャットアウラ
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