11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:08:51.22 ID:zmX2O7Gg0
――翌日
美也「ずいぶん顔色が良くなってきましたね〜。安心しましたよ〜」
育「おかげさまで。ミランダさんの作る料理はとってもおいしいから、きっと元気がない人もみんな元気になっちゃうと思います」
育(こんなおいしい料理を、孤児院のみんなにも食べさせてあげられたらいいのにな……)
美也「イグナスさん……?」
育「ミランダさん、やっぱりぼく、いつまでもこの屋敷でお世話になるわけにいきません。体調がもどり次第、ここを出るつもりです」
美也「孤児院のみなさんのことが心配なんですね」
育「はい。院にはぼくみたいに普通の家庭で生まれ育った子は珍しくて、読み書きが上手くできない子も大勢います。たとえ奴らから逃げ切れても、別の悪い大人に見つかってしまったら…」
美也「その件については既に私が一つ手を打っていますよ。心配なさらず、しばらくこちらでゆっくりなさってはいかがですか?」
育「いいえ、そういうわけには。元々ぼくは、孤児院の子たちみんなに勉強できる時間とお金を用意したくて、街の食堂で働いてたんです。とても足りなかったですけど」
美也「それでまとまったお金を得るために、劇団のオーディションを受けられたんですね」
育「はい。役者としてたくさんのお金をかせげれば、孤児院のみんなだって学校に通えるようになる。元々演技で人を喜ばせるのが好きだったというのもありますけど」
76Res/77.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20