紬「エスパー少女は17歳」
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36:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:30:06.04 ID:lCVrPTby0
 そして運命の朝を迎える。

 前夜は雨だった。

 雨の日は意識が散漫になるので超能力には不向きと言っていた。朝までやまなければ決行は延期のはずだ。どうかこのままセンパイの誕生日まで雨が続きますように。私はてるてる坊主を逆さに吊るし、天に祈った。


 どうにも嫌な予感がして朝早くに目が覚めた。カーテンを開くとなんと雨が上がっていた。天気予報は雨だったのに。これも超能力のしわざ?? 朝ご飯も食べずに家を飛び出した。


 早朝の朝靄のなか、閉じられた校門を乗り越えると、噴水の傍らにムギセンパイが倒れていた。


 慌てて駆け寄り抱き上げる。すぅすぅと穏やかに呼吸している。眠っているようだった。きっと力を使い切ったんだ。

 水面をのぞき込む。鯉の姿が見えない。水が濁りすぎて、水中の様子がまるでわからない。

 成功した? 失敗した?

 目を凝らしていると、水面に波紋が広がった。雨だ。眠り続けるムギセンパイを背負うと、私は昇降口へ駆け出した。


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