紬「エスパー少女は17歳」
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2:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:39:51.69 ID:lCVrPTby0
 銀のスプーンが、ぴりりと震えた。


「梓ちゃん。よく見ててね」

 ムギセンパイが左手を揺らすのに合わせて、スプーンも揺れる。
 右に揺らせば右に、左に揺らせば左に。スプーンの頭が、ぐにゃりぐにゃりとまるで飴細工のようだ。

 ありえないことが起ころうとしている。私は視線をくぎ付けにされていた。

 センパイが、えいっ、と掛け声をかけた。

 すると、スプーンは首の部分からぽっきりと折れ、乾いた音を立ててテーブルに落ちた。

 口をぱくぱくさせている私をよそに、ムギセンパイは、悠々と右手をあげて店員さんを呼び止め、替え玉を追加注文した。




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