紬「エスパー少女は17歳」
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15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:55:32.12 ID:lCVrPTby0
 右手をスプーンから離し、左手を左右に振る。

 スプーンが揺れる。

 スプーンの頭はぐにゃぐにゃと左右に傾げる。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:56:10.92 ID:lCVrPTby0
 揺れは次第に大きくなってゆく。



 まるで飴細工だ。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:56:59.86 ID:lCVrPTby0
 センパイが、えいっ、と掛け声をかけた。


18:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:57:34.57 ID:lCVrPTby0
 スプーンは柄の部分からぽっきりと折れ、乾いた音を立ててテーブルに落ちた。



 私は口をぱくぱくさせながら、ただ呆然としていた。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:58:33.46 ID:lCVrPTby0
 超能力の話の続き。

 超能力を使わないでいると、身体の中に余計なエネルギーが溜まってしまう。
 ムギセンパイ曰く、おなかの下のほうがムズムズするっていうか、ムラムラするっていうか、気持ち悪くてたまらないらしい。
 だから定期的に発散する必要がある。排便みたいなものね。とムギセンパイは言う。例えが悪すぎる。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:59:23.49 ID:lCVrPTby0
「他のセンパイ方には見せたんですか?」

 ムギセンパイは首を横に振った。

「どうしてです? 今度部室でやってみせてほしいです!」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:03:12.62 ID:lCVrPTby0
「だって。ただスプーンを曲げるだけよ」

「十分すごいですって!」

「そうかなぁ。ビームとか、ワープとか、空中浮揚とか、マンドリルに変身とか、そういう派手さはないじゃない? タツマキも出せないし。期待させるだけさせおいて、がっかりさせちゃったらわるいもの」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:04:33.79 ID:lCVrPTby0
 その日以来、ときどきムギセンパイとラーメン屋に行くようになった。

 いまだにひとりでは入りづらいようで、私はいつも付き合わされる。

 ムギセンパイは何杯もラーメンをお替りする。食べても食べても太らない。その身体のどこにラーメンが消えてゆくのか。不思議でしかたない。太りやすい体質を気にしていたはずなのに。超能力のカロリー消費量はかなりのものらしい。役得ね、とムギセンパイは嬉しそうに言っていた。


23:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:06:13.13 ID:lCVrPTby0
 私たちは雑談にふける。放課後はお茶とお喋りの毎日だというのに、それでも話のタネは尽きない、
 私とふたりのとき、ムギセンパイはやたらとコイバナをしたがる。

 梓ちゃんは彼氏とかいなかったの? 中学校は共学でしょ? 共学だからって彼氏がいるとは限りませんよ。そのとき、ぶるぶるとケータイが震えた。こっそり見ると律センパイからのメールだった。あ〜彼氏でしょ。ムギセンパイが楽しそうに訊いてくる。違います。私は淡々と答える。うふふ、隠したってムダよ。ムギセンパイは意味ありげに笑う。人の心は読めないって言ってはずだけど、本当だよね? ムギセンパイはにこにこ楽しそうだ。やっぱりこのひときれいだな。ニンニクくさいけど。



24:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:13:21.94 ID:lCVrPTby0
「センパイはいないんですか? 彼氏とか」

「彼氏? うーん、今はいないよ」

「じゃあ、どんなタイプが好みなんです?」
以下略 AAS



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