佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:48:34.52 ID:Wuzd3WkQO
「キョン、いくらなんでも近所迷惑だよ」
「あ、すまん」

誰にも邪魔はされないとは言ったものの、流石に近隣住民に迷惑をかけるわけにはいかず、俺はすぐさま正気を取り戻して、謝罪をした。

「全部、出たよ」

そんなことは見ればわかる。
膝の上は佐々木の尿でびちゃびちゃだ。
ならば何故、分かり切ったことを言うのか。
その真意は、凡百な俺でもすぐにわかった。

佐々木はきっと、俺に褒めて欲しいのだ。

「偉かったな、佐々木」

頭を撫でながら褒めてやると、佐々木はまるで子供みたいに嬉しそうな顔をして抱きついてきた。

「やっぱりキミは優しいね」
「そうか?」
「うん。優しくて素敵な、僕だけのキョンだ」

自分が優しい人間なのかは未だにわからない。
それでも、目の前の女を優しく抱きしめるくらいならば、俺にも出来そうだと、そう思えた。

「ところで、キョン」
「なんだ?」
「僕は今日、新たな発見をしてしまった」

そう言って佐々木は困ったようにくつくつ笑い。

「どうやら優しいキミにも、棘があるらしい」

その棘とやらがどこに生えているのかなんて。
そんな、分かり切ったことを、説明するなど。
綺麗な薔薇でも何でもない俺には、憚られた。


【佐々木とキョンの荊棘】


FIN


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