佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:39:44.16 ID:Wuzd3WkQO
「さて、キョン」
「どうした、佐々木」
「そろそろキミの女性遍歴を披露したまえ」

頃合いだろうと、佐々木はくつくつ笑う。
それにつられて苦笑しながら、俺は高校に進学して以来、重ねに重ねた武勇伝を披露した。

あらかじめ言っておくが、これは断じて女性遍歴などではなく、手に汗握る伝奇物語である。

涼宮ハルヒに出会い。
そして宇宙人や未来人に出会い。
過去、現在、そして未来を行き来して。
時には命の危険に遭遇し。
時には世界の運命を左右する危機に直面するという、我ながら飽きの来ない学生生活を語っていると、呆れた様子の佐々木に指摘された。

「ほらみたまえ。女の子との物語ばかりじゃないか。これが女性遍歴でなくて、なんなのさ」

なるほど、たしかに俺の武勇伝にはどれも美少女が絡んでいることに改めて気づき、やはり綺麗な薔薇には棘があるものだと確信を深めた。

「浮ついた話をしたつもりはないんだがな」
「顔がにやけている時点で説得力は皆無だよ」

たしかに、語っていて俺は楽しかった。
美少女にまつわる話題を話すことに専念するあまり、男の超能力である古泉の話題を丸々端折ってしまった俺を、誰が責められようか。

男子高校生とは、そういう生き物なのだから。


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