佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/28(金) 22:14:27.14 ID:Wuzd3WkQO
綺麗な薔薇には棘がある。
とはよく言ったもので、確かに俺の乏しい人生経験上、それはこの世の真理であると言えた。
幸か不幸か俺の周囲には綺麗な薔薇と呼べる女子が多数存在しており、そしてなんの因果か関わり合った彼女らには1人の例外もなく棘があり、時にはその鋭い棘の先端に猛毒がたっぷりと塗られていた、なんてこともあったりした。
「やぁ、キョン。待ちくたびれたよ」
だから、自宅の前に佇んでいた中学時代の同級生に声をかけられるまで、その唯一の例外と呼べる存在に気づくことは、出来なかった。
「佐々木……」
「おや? 覚えていてくれたとは、意外だね」
忘れる筈がないだろうとは今の俺には言えず。
「様々な女の子達との思い出に浸っていた今のキミに、すぐに思い出して貰えるとは光栄だね。てっきり、僕のことなんて一切合切すっぱり忘れてしまっているとばかり思っていたよ」
まるで見透かしたようなことを言いながら、くつくつと喉の奥を鳴らすその特徴的な笑みを久しぶりに耳にして、変わらないなと、思った。
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:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/28(金) 22:16:01.02 ID:Wuzd3WkQO
「何をしてるんだ、こんなところで」
「キミに会いに来たのさ」
そんな、まるでメロドラマの台詞のようなことを言って、佐々木は格好良く口の端を曲げた。
以下略
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