8: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:47:29.41 ID:v/g2u2sn0
僕が佐竹さんに声をかけようとしたその時、廊下から佐竹さんを呼ぶ女子の声がした。
佐竹さんの友だちだろうか。
「あっ!ゴメンすぐ行く!……じゃあ、これからよろしくね♪」
そう言い残して佐竹さんは廊下で待っている友だちのほうへと言ってしまった。
佐竹さんが席を立つ前に残した笑顔は、また僕のことをドキッとさせた。
「…………」
「どうしたぼーっとして。あれ、おまえ佐竹さん知らなかったっけ?」
背後から聞こえた声。当然僕の背後にいるのは佐竹さんがやってくるまで話していた友人諸氏しかいないわけで、その一人の声である。
「知ってんの?」
「ああ、そっか。去年クラス違ったもんな。ははーん、さては佐竹さんに一目ぼれしたな?」
「うっ……」
速攻で図星をつかれた。わかりやすかっただろうか。
「まあ、仕方ないか。可愛いもんな佐竹さん。隣でラッキーだったな。彼女のファン、結構多いぞ」
「そうなの?」
学校内でも顔の広い友人氏はそれなりの情報網を持っていたりする。
確かに、あんなことをされたら誰でも惚れる。
「ま、隣でよかったな。頑張れよ」
始業のチャイムが鳴って話はそこでお開きとなった。
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