【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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名無しNIPPER
[saga]
2019/07/10(水) 00:36:45.36 ID:vpSm0mUm0
「…リーゼを信じよう。俺は、足を潰すことに専念する」
逃がさないと決めている。全員殺すと決めている。ならば、逃げられない状況を作る他あるまい。
ハイパー・ジャマーを起動したエクストリームは、最大加速で突っ込む。
加速を続け、慣性移動に任せる。そして、スラスターの稼働を一時的に停止させる。
レーダーの索敵範囲に入った頃には、視認することは不可能だ。
確実な一撃を以て、奴らに死を。自分でも驚くほどに、心は冷静だった。
「わ…あぁっ!?何があった!?」
「さ、左舷に被弾!この信号…これは…『エクストリーム』です!」
「何ィッ!?何故気付かなかった!?」
「ジャミングです!電子的に隠蔽工作をされたら、我々では見つけられませんよ!」
通過する二秒前にジャマーを解除し、予め溜めておいたエネルギーを放出。
ビーム・ランチャーの一撃を受け、格納庫に大穴が開くセイリュウ級。
その下を通り過ぎたエクストリームは、再度エネルギーを充填。片手にビーム・サーベルを構えて突進する。
「ふざ…けるなよぉ…」
防衛のために踊り出る『ヴェンデッタMARK-2』だが、それを嘲笑うように、光刃で斬り伏せる。
コックピットや四肢を穿ち、抉り、斬り落とし。瞬く間に鉄屑を生み出した『極限』は、光溢れる銃口を、傷付いた龍へと向ける。
「じゃあな。全員、ここで終われ」
巨大なビームで、艦尾から丁寧に焼き尽くしていく。爆炎を上げながら、艦が原型を失っていく。
「り…リーダー…。ビアッジさん!」
火の手が上がるブリッジの中で、中年が叫ぶ。炎が舞い、身体を焼く。
「どうして…どうしてあんたは…俺たちを見捨てたんだぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
地球に残された者からすれば、切り捨てられたようなものだった。
彼らは最期まで、狂人(ビアッジ)の心を知ることが出来なかった。
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