【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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202:名無しNIPPER[saga]
2019/08/12(月) 00:35:01.67 ID:wPLdjYgl0
「…うん」

理想だけを脳から絞り出し、願望を見繕う。元々、妹の病気のことしか考えていなかったからか、大雑把なものしか出なかった。

宇宙の果て。誰も到達したことの無いその場所を目指し、旅に出てみたい。

科学的に考えれば、未だに膨張を続ける宇宙の果てに辿り着けるわけがないが、それは置いておいて。

運送業に携わっている都合上、外(太陽系外)からの情報も度々入ってくる。

例えば、地球へと護送した『ロリ・コーン』や紆余曲折あって出会った『ボグドンナザゼフフノヒタフ』のように。

想像もつかないからこそ、憧れる。この宇宙には何があるのか、知りたくなる。

自分でも、未知を見つけることが出来るのか、確かめたくなる。

悲しみばかりを生み出す戦争。それを減らすために、戦争に関わる悪しき者を叩きたい。

戦争。人が産まれてから、幾度となく繰り返された滅ぼし合い。

民間人の自分が、戦争の根幹を取り除こうとするなど、無謀だろう。だが、それが可能になる力が、ある。

『バルキリア』。歴史に埋もれた『戦乙女』が、自分の前に舞い降りたこと。

それに、意味がある筈だから。

そんな大きな願望も、マジレスにぶん殴られる。

たかが民間人一人に、そんな大それたことが出来るわけない、と冷静に真面目リヒトに返される。

自分に出来るのは、願うこと。無関係な人が戦争に巻き込まれるようなことが無くなるように、祈りを捧げること。

目を閉じれば、妹の顔が浮かんでくる。目を開ければ、暇そうに『ケラウノス・ブレード』の手入れをする仲間の姿が映る。

何でお前も持ってるんだ。何時買った。アレか、こっそり買ってたのか。

まあ、二人よりは長生きしたい、とは思う。この三人の中で最年長なのは自分なので、無理かもしれないが。

今の自分でも出来る、現実的なこと。それは、大切な人を護ること。

嘗て、自身の命を擲ち、輸送船を護ってみせた『アグル』。

彼のように、自分と大切な人を秤に乗せ、大切な人を取れるような、漢気のある人になりたい。

尤も、死ぬ気は無い。あくまで、選ぶことが出来るだけであって、死ぬ前提で行動するつもりは無い。

死んでしまえば、もう二度と会うことは出来ないのだから。

「…うん?」

いくら何でも、取っ散らかり過ぎやしないか。考えるだけなら無料(タダ)でも、これは高望みが過ぎる気がする。

改めて、何をしたいのか考えを纏めねばなるまい。


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