【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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名無しNIPPER
[saga]
2019/07/15(月) 01:20:28.50 ID:AvHoSOaq0
「どうして、ボァブさんはザ…じゃなかった。アームパイロットになろうとしたんですか?」
「今、ザムパイロット言おうとしただろ!?いや間違ってるわけじゃあないんだけどな!」
ゲフンゲフン。
わざとらしく咳をするリヒトを見て、ボァブははぁ、と溜め息を吐く。
「…昔、でっかい戦争があっただろ。あの…何だっけ、あれだよ」
「『天王星最終戦役』ですね」
十二年ほど前に、天王星宙域で勃発、終息した大規模な戦争。プラント艦の特攻すら行われた、凄惨な戦い。
複数のコロニーが巻き添えになり、数千万人もの民間人が犠牲となった。
当時は毎日のようにニュースが流れていたから、よく憶えている。
「それそれ。ニュースで戦闘している映像が流れてさ」
「…憧れちまったんだよ。『俺もこんなビッグな漢になれたら、大切なものを護れる』って。そう思って」
「そん時、俺は二十歳だったかな。いい年した大人が、情けないだろ」
自嘲気味に笑うボァブ。彼を嘲笑う資格も、意志も。リヒトには無かった。
立派だと、素直にそう思った。最前線で戦う都合上、死ぬ可能性が高いこと。それは、どんな人でも知っている。
彼だって、例外ではない。リスクがあることを解っていたはずなのに。
それなのに、選んだ。決断した。自身の命と護れる力。それらを秤に乗せ、力を選択したのだ。
そんな漢を批判出来る者など、誰一人いないだろう。寧ろ、讃辞を呈されるべき存在だ。
利己的ではなく、利他的に戦う漢。彼こそが、真のエースと言えるだろう。
「…何言ってんですか。あなたほど立派な人を、馬鹿にする気は無いですよ」
「やっぱり、あなたはエースです」
俺みたいな、穢れた奴とは違って。
そう、己を嘲笑いながら、リヒトは微笑みを浮かべ、言の葉を紡いだ。
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