64: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:06:54.59 ID:tLeGcQVf0
「あの子の代わりでもなく、私が私として人生を謳歌してもいいのかな?」
65: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:07:39.43 ID:tLeGcQVf0
「私、昔からの夢だったアイドルを楽しんじゃってもいいのかな?」
66: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:08:42.62 ID:tLeGcQVf0
そんな弱音を吐く私。後ろからため息をつく音が聞こえる。でも音は軽蔑や落胆のそれではなくて───
67: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:09:40.02 ID:tLeGcQVf0
「馬鹿野郎。良いに決まってんだろ? 俺が育てたアイドルだぞ? こんなところで折れるようなヤワな育て方してねーよ」
68: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:10:13.37 ID:tLeGcQVf0
「それにあれだ……。お前もだいぶ有名なアイドルになったと思ってるけどよ───」
「───天国まで轟かすにはちーっとばかし、まだ足りねぇと思うんだよ。だから待ってろ、今にもっと輝かせてやるからよ」
69: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:10:52.70 ID:tLeGcQVf0
◆◇◆
色々聞きまわったちょっとした騒動だったけど、結局何かが解決したわけじゃなかった。
70: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:11:31.62 ID:tLeGcQVf0
そう、こんだけ聞きまわったっていうのに、結局私の考えは全く変わらずにいる。
つまりは相変わらず私はカミサマの存在なんてちっとも信じちゃいないってこと。
カミサマは私をこんなに元気にしてくれたのに、あの子を救ってくれなかったし。
71: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:12:30.68 ID:tLeGcQVf0
でもね、一つだけ変わったことがあるんだ。
ふとした時にね、他の娘にカミサマがついていれば良いなって思えるようになったんだ。
レッスン頑張っているあの娘が報われますように。
72: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:13:18.13 ID:tLeGcQVf0
そして、みんなが幸せになりますように。
73: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:14:13.24 ID:tLeGcQVf0
そんな風に思うようになってきた。思えるようになってきた。
きっとそれは、奈緒や凛を始めとした事務所のみんなと『"今"を一緒に生きていきたい』と思えるようになったからだろう。
カミサマの存在を信じられずに、昔は自分の幸せすら願えなかった私が、今はみんなの幸せを願うことができる。今回の大きな一つの変化。
74: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 22:14:41.13 ID:tLeGcQVf0
「はくちっ!」
そんな風に物思いにふけっていると、一緒に歩いてた奈緒がいきなりクシャミしだす。
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