50: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:55:37.21 ID:tLeGcQVf0
そして季節が一つ変わり、二つ変わり、『ずっとこんな生活が続くのかな?』という不安と一種の諦めと落ち着きを持ち始めた時だった。
「あたしね、今度手術するんだって! なんか凄い手術らしい? けど心配しないでって看護師さんが言ってた!」
あの子がいつものベッドから出し抜けに明るい声でそう言ってきた。
お互いに話すようになって暫く経つけど、最初に比べて終ぞあの子の顔色は良くなることはなかった。
でもその一方、本人の声はそれを取り戻すかのように、より元気になってきた気がする。
「手術が終わった直後はまだ気が抜けないから、あいしーゆー?ってところで入院するんだって……。でもしばらくしたらまた普通のベッドに戻れるんだって!」
ICUのことかな? いわゆる集中治療室。
その間はこの子ともお別れか……。どれくらいになるかはわからないけど、なんだか悲しいな……。
そんな想いを抱いたことにすぐにハッとなった。いつの間にかにこの子の存在はあたしの中でかなり大きなものとなっていたようだ。
「そしたらやっぱここのベッドがいいなぁ……。加蓮ちゃんとまたおしゃべりしたいし」
それを知ってか知らずか、あの子は何気なくそんなことを言う。
一緒にまたおしゃべりしたいというのは私も同じ気持ちだった。
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