4: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:20:31.43 ID:tLeGcQVf0
今日は奈緒、凛と一緒に取材のお仕事。それまでまだ少し時間があり、こうして三人で事務所に待機している。
そんな空き時間に読んでたファッション誌を片手に私はそんなことを奈緒に問う。
「どうしたんだ? いきなりそんな話して」
「いや、これ見てたらさ、今週は星座占いで最下位だったから……。その嫌な気持ちを吹き飛ばそうと思ってね!」
「後ろ向きに前向きだな……」
奈緒はそう言って、うーん……と唸ったまま天井を見上げる。
どう回答しようか迷ってるのかな? もしかしたらあたしを傷つけないよう、色々考えてくれてるのかもしれない。
でもそう思わせといて、単に自分がいじられないような回答を考えてるだけなのかも。
「どうだろうな……。凛はどう思う?」
困り顔の奈緒は結局、別の雑誌を読んでいた凛にそのまま質問をパスした。
「うーん……。まあ、信じてる……っていうか、『いるのかな?』って思うくらいかな」
「毎週教会とかにいくわけではないけど、初詣行っておみくじ引いたり、クリスマスパーティーやったりとかはする……みたいな感じか?」
「うん、そんな感じかな?」
「ふーん……。まー、そんくらいが普通だよなぁ」
うんうん、頷きながら肯定する奈緒。まるで『あたしもそう思ってます』というような感じを出してる。
そんな逃げる奈緒に追撃。私は簡単に逃がさないよ?
「でも奈緒は信じてそうだよね? ソシャゲとかグッズのクジとかの時にさ。『カミサマお願いしまーす!』ってな感じで」
「ウッ……。そんな言い方はないだろ、加蓮?!」
「あ、でも否定しないんだ」
「うぅ……。…………いや、その通りだよ! 全くその通りだよ! 悪かったな! 自分の都合のいい時だけ信じるようなやつで!」
「いやいや悪いだなんて一言も言ってないよ? ただ奈緒は可愛いーなーって思っただけ」
「だぁー! 結局いじられんのかよ! だから回答するのが嫌だったんだ!」
「奈緒、諦めなよ。加蓮に質問された時点で負けてるんだから」
「うー……凛までそんなこと言う……」
悪かったね、よしよし、と奈緒の頭を撫でて宥める凛。そのおかげで奈緒の機嫌はすぐに直りそうだ。良かった、良かった。
でも凛の撫で方がハナコを撫でる時と一緒の手つきなことは、今は黙っておいた方が後々美味しくなりそうだね。
「そういや、そういう加蓮は一体どうなんだよ?」
暫く凛にワシャワシャされてた奈緒が思い出したように私に問いかける。
あ、ちゃんと元の話題覚えてたんだ。まぁ聞かれたら、ちゃんと答えないとね。
「私? 私はねー──」
79Res/49.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20