414: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/24(月) 00:30:13.14 ID:QHO8M2d60
「あのとき、意識したんだ」
兄ちゃんがぽつりと言った。
「――何を?」
「真美も、大人になっていくんだ、って」
いつかの日のような風が吹いて。
下ろしてた真美の長髪が、兄ちゃんの顔を撫でる。
「真美のシャンプーの香りだって、今すごいドキドキしてる」
そう言われて兄ちゃんの胸に手を当てると、本当にそうだった。
「そんなことも意識しちまうんだよ」
「真美が、オトナになってきたから?」
「そうだな」
そう言われて兄ちゃんを見たら。
その瞳が。
いつもの真美を見る目とは少し違っていて。
真美も、兄ちゃんから目を放せなかった。
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