【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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291: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 00:56:59.24 ID:9I+qLSeE0

  ◆◆◆◆


 大体いつも企画書に手こずる。
 今日も今日とて、深夜の会社。必死こいてPCと向き合う俺のデスクに、すっと影が差した。

「じゃんっ♪」

 見上げると、コンビニ袋を持った千川さんが。

「……千川さん。……スタドリでしたら間に合って」
「何言ってんですか、夜食ですよ夜食。何か食べとかないと倒れちゃいますよ」

 中には最寄りのコンビニで買ったらしきおにぎりやサンドイッチが入っていた。ありがたい。
 給湯室でインスタントの味噌汁を作って一休みしていたところ、千川さんがぽつりと切り出した。

「それにしても、びっくりしちゃいました」
「え?」
「まさかほんとにプロデューサーを目指すなんて。Pさんあんなこと言ってたのに」
「それはまあ、色々ありまして」
「あ、さてはこの間のライブでついにアイドルの良さに気付きましたね? ていうかあの後どこ行ってたんです?」

 話していいのか悪いのか。
 鮭おにぎりをアツアツの味噌汁で流し込み、適当にはぐらかして作業に戻る。
 千川さんは何が楽しいのか、隣のデスクから頬杖を突いて俺の仕事を見守っている。




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