【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
246: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/08/23(金) 00:29:43.17 ID:CdWzRgmY0


「ごきげんよう、クロさん」


 歩道沿いのオープンテラスに、いつの間にかその人はいた。
 いつものようにワイングラスを片手に持ち、首元から赤い宝石のネックレスを提げて、優雅に足を組む女性。
 彼女のことも、俺は思い出している。


「……柊さん」

 あんなに人で溢れる大通りは、今や俺とこの人の二人だけ。

 背後にはいつの間にか、例の巨大な桜が聳え立っている。

 激しさを増した降雪に、春の花弁が混ざる。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice