【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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173: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/27(土) 16:12:28.83 ID:aiDwMVos0

   ◆◆◆◆


 細い雨が降っていた。
 背中が凍えそうなほどに冷たい。
 どうやら、雨に濡れた地面に横たわっているようだった。

 頭にだけ、温かくてやわらかい感覚。

 なんだろうと思って見上げると、高垣さんが俺を見下ろしていた。


 目覚めてみれば、ここは元の桟橋。傘を差した高垣さんの膝枕。


「……Pさん」

 彼女の手が頬を撫でる。暖かかった。
 逆光で表情がほとんど見えなくとも、その手の感触で確信した。

 彼女は、俺が知ってる高垣楓さんだ。

 川面に反射したネオンが彼女の顔を照らす。
 
 瞳の色は、両方とも碧色だった。




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