【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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108: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/28(金) 00:11:23.42 ID:XbZcdmSM0

   〇


「――本気ですか、それ?」
「本気です。目下の俺の最終目標です」

 最終って――千川さんが口の動きだけで復唱し、困ったような顔をした。

「……それはまた、思い切りましたねぇ」
「事務も並行して処理します。千川さんに手間かけさせることはありませんよ」

 多少バタつくことは予想されるが、それも最初のうち。
 うまいこと走り出してしまえば、あとは海千山千の346プロがどうとでもしてくれるだろう。

 要は、「彼女」のポテンシャルを会社に気付かせればいいのだ。

 千川さんはそれでもいまいちピンと来ていないようだった。
 企画書をもう一度読み返し、ずっと気になっていたであろうことを問う。


「……これは、アイドルじゃいけなかったんですか?」




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