【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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6: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/06/12(水) 00:20:45.91 ID:BdiXsnKQo
彼女がアイドルとして活動する中で、最近はドラマ「セレブレーション!」や先述の「屋根裏の道化師」をはじめとした演技の仕事も増えてきた。
自身の二十余年の経験も助け、「想い合う二人のすれ違い」そのものについては、いまではある程度具体的なイメージを持てている。
しかしその一方で、物語の幕引きにどこか彼女の中で役に落とし込めない部分があった。

なにも誰もが救われる話であってほしい、ということではない。
最後に娘が自身が決めた道を向かうとき、それはどんな心境であったものだろうか?
青年に心配を掛けまいと作り笑いをするものなのか、それとも後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、涙を見せないよう振り返らず進むものなのか。
馬場このみが生きてきた中で、もちろん出会いの数だけの別れがあった。
その中で前者の別れもあったし、後者の別れも確かに経験している。
しかしながら、どちらを軸に解釈をしても娘の心の動きとかみ合わないような、そんな気がしてならなかった。

「どうしたものかしらね……。」

資料の中身は擦り切れるほどに読み返している。
二人を取り巻く環境、生活、価値観、心の動き──物語とその背景への理解を深めようと試みるたびに、その感覚は薄れるどころか、鮮明になっていくようだった。


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