【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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4: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/06/12(水) 00:18:29.79 ID:BdiXsnKQo
鶴を助けた青年のもとに、道に迷い雪に降られた娘が泊めてほしいと訪れる。
吹雪で外へ出られない日が続くが、やがて青年は娘の人となりに密かに好意を抱くようになる。
ある日娘が「布を織る間部屋を覗かないでほしい」と言い部屋にこもり、数日かけて一反の美しい布を織りあげた。
青年が詳しい話を聞いても、娘は「言えない」というばかり。
やがて娘が布を織るために頻繁に部屋にこもるようになり、それゆえ次第に二人が顔を合わせて話せる機会が少なくなっていった。

娘は青年に恩を返すため、自身の羽を抜いて糸とより合わせることで美しい布を織るが、それゆえに青年の近くにいることができない。
彼への想い、彼から伝わる好意と優しさ、そしてそれらと相反する正体を知られてはならないという自身の秘密の間に、娘は苦しんでいた。

青年は徐々に痩せ細っていく娘が心配だったが、娘は「大丈夫」と答えるばかり。
彼女がひとりで抱える秘密と、それゆえ表に出せない彼女に対する想い。
戸を開けて声を聴きたい、会いたい。しかしそれは約束を破るだけにとどまらず彼女の秘密を侵すことになってしまう。
彼もまたひとり二律背反を抱えていた。

物語の終盤で娘は自身の秘密を青年に打ち明け、その代償として青年のもとを去っていくことになる。
鶴の選択が正しかったのかどうか、といった解釈は受け手側に委ねられる。

このように、民話で伝えられるような内容から着想を得た、「互いが想い合うゆえのすれ違い」を描いた作品になっている。
演技をするにあたって、そういった感情のやり取りが重要となることは明白だった。



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