287: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:14:45.17 ID:Bg3Eqo0s0
直後、劇場全体が揺れてしまいそうなほど、大きな歓声がこのみの耳に飛び込んできた。
桃色の光が大きく揺れて、ぱあっと目の前が明るくなった。
声が、届いた気がした。
この場所から見える景色は、何度見ても眩しくて、綺麗だった。
もしも離れたって、絶対にこの場所でまた逢えるって信じてる。
想うほどに愛しくて、この場所があるからこそ、いつだって自分がこの場所に戻ってこれるんだ、と心の底からそう思った。
「ありがとう、みんな! 今日よりステキな、最高の私を見せるから、また劇場で会いましょうね! 約束よ♪」
溢れる歓声の中で、このみはその小さな体で、目一杯大きく手を振った。
衣装の袖が揺れて、そのたびにサイリウムの波間が光った。
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